本番を目前に不甲斐ない国際マッチを連発し、監督の辞任論まで飛び出した日本代表チーム。しかし、ここまで来たら後はベスト4(笑)を目指して全力で戦って貰うしかない。家族にはこんな時期に?バリ島で試合見れるの?と不審がられながらもワールド・カップ南アフリカ大会を直前に、じりじりと熱くなってきた列島を抜け出して南の空へと旅立った。
つい最近ガルーダ航空の特権として、機内で入国検査を行い、到着後に入国審査の長〜い行列に並ばなくて済むようになったとのこと。ところが店主は機内で入国審査を断られてしまい、(関空でビザを購入してなかったため)いつものように到着後にビザを購入して入国審査の列に並ぶことになってしまった(涙)。係員が「ビザは機内でも買えます」と言ってたのにこの対応です…。特権には縁がないのか?まあ、これくらいの仕打ちにはヘコタレませんぞ〜!でも、せっかくなので次回からは機内で済ませたいものです。(T_T)
2月に工事したウブドの貸コテージの階段と通路は、崩壊することなく無事のようでホッと一息。高温多湿で雨の多い土地なので油断できないのだ。翌日からフランス人ファミリーが2週間ほど宿泊予定とのことなので、室内のチェックをしながら足りないものを買い揃えることにした。今回は、上にある店主の部屋の隣のオープンスペースにキッチンを造る計画だ。滞在中に完成させるべく、大急ぎで工事を始めることになった。コチラでは、資材は全て発注者が買いそろえ、大工さんたちは工事をして手間賃をいただくというシステム。だから工事の金額や期間の見積もりなど全て発注者が自分でしなければならない。家を建てている時は仕事に行く暇はなく、朝から晩まで資材の調達と現場監督という状態が普通のようです。
そうこうしてるうちに、ついに戦いの夜がやってきた。助手のプトウ君と共に、テギさんの息子に教えてもらった大スクリーンのあるモンキーフォレスト通りのカフェへと向かった。通りのアチコチからバリ舞踊の音楽が流れ、街の様子は普段と変わらない。地元インドネシアのサッカーチームはアジアでも弱い方なためか、現地の人たちは殆ど関心がないようだ。そう言えば、オリンピックの時も同じだった事を思い出した。TVのニュースで放送しないのだ!
さて、WC日本代表チームの今晩の相手は強豪オランダだ。勝てないまでも、アジア代表の意地を見せて欲しいものだ。店内を見渡してみるとテーブル席は既にオレンジカラーを纏ったオランダ人をメインに、ヨーロッパ人客でいっぱいになっていた。日本人らしい顔は何処にも見当たらない・・・。仕方なく最後部のベンチ席に陣取って観戦することになった。ここは長い間オランダの植民地支配が続いた土地。当に「アウエイ」状態での応援となり、「皇国の興亡、この一戦にあり!」といったところか。緊張すると貧乏ゆすりする癖のある店主に、隣に座る中年夫婦が声をかけてきた。ご挨拶すると、なんとヨーロッパ一の親日国民であるドイツ人旅行者であることが判明。カメルーン戦での日本チームの活躍を褒めていただいたものの、残念ながら見ていなかった。お返しに、前日観戦したドイツXセルビア戦での敗戦を慰めてやった。昔の同盟国という心強い味方の登場に思わず嬉し涙がでてきた・・・。
試合開始直前に、目の前のテーブル席に陣取るオランダ・チームのサポーターに「アナタハ ニホンジンカ?」と訊かれ、「ダイジョウブ、ニホンニハ ホンダ イルヨ ソレニ スズキ トヨタ モイル・・・」と、言ってやった!これじゃまるで日本車のセールスマンだなあ・・・。(^^ゞ
試合が始まると、オランダチームの怒涛の攻撃にカフェ全体が大きくどよめき、日本チームが反撃すると後部座席からパチパチパチと店主の拍手が鳴り響くという展開が続く。しかし、スナイデル(シュナイダーのことか?)の強烈なミドルシュートで決着がついた。試合が終わり相手チームのサポーターと握手を交わし、お互いの選手の頑張りを讃えあった。
思えばこの地(バリ島)は、今を去ること70年ほど前にオランダ軍と日本軍が開戦した場所である。その時はサヌール海岸に上陸した日本軍が、わずか一日でオランダ軍を打ち破り、バリ人を長い植民地支配から解放してやったと聞く。(実際はオランダと入れ替わっただけの事)しかしながら日本代表チームはこの夜の試合に負け、店主は相手チームのサポーターから「クロス・ゲーム(接戦?)だったよ!」と慰められたのだった・・・。(T_T)