先日、知り合いのギャラリーで素敵な絵をみつけました。遠くからでもその絵の持つ独特の世界とディテイルの素晴らしさが波動となって伝わってきました。バリ島山間部の農村風景を散りばめたシュピース・スタイルと呼ばれるジャンルの絵で、描かれている村人たちは、活き活きとした表情と動きで、その絵の世界に実在し生活を営んでいるかのようにみえます。
下の絵はWARDITAさんという絵描きさんの作品で、以前彼の絵を2点扱ったことを覚えています。その時は確かに腕の良い画家さんだとは思いましたが、これほどの画家に成長していたとは驚きでした。シュピース・スタイルの画家さんではアグン兄弟が有名で、彼らの業績への評価は既に確立されており、ここ数年でオークションでの落札価格が2〜3倍に跳ね上がっているため、日本のファンの皆様にとっては嬉しいやら悲しいやら複雑な思いではないでしょうか・・・。案内していただいた知人の話では、このジャンルでAGUN兄弟の次にくるのがこのWARDITAさんだというのには肯けました。
この作品のタイトルは「ガルンガンの朝」で、バリヒンドウー最大の行事ガルンガンは、日本の「お盆」に当たります。ご先祖様をお迎えする祭礼で、還る家を示す「ベンジョール」を家の門に飾り付けています。女たちはお供え物を頭に載せて神社へと運び、男たちは精霊の魂を鎮める「闘鶏」に夢中です。遠くの棚田では、農夫が牛を使って水田を耕作しています。そんな平和でのどかな光景を、朝の陽光が優しく包んでいるように見えます。去年、プリ・ルキサン美術館で開催された【BALI
deep】というイベントに出展され、特に気合(魂)の入った作品のようです。(残念ながら引っ越しの最中で見逃してしまいました)
ところで、このWARDITAさんのご住まいが何ともたいしたもので、場所はキンタマーニ高原の麓と言っていいほどの田舎で、家の周りは昔ながらの日干し煉瓦(石?)で囲まれていました。その辺の土を水で捏ねて型に入れ、日干しにすれば出来上がりという簡単な製法とのこと。その石にうっすらと緑の苔が生え、何ともいえない渋〜い土塀になっておりました。
上機嫌で彼の家を後にした帰路の途中、清潔そうなワルン(食堂)を見つけました。無垢材を刳り貫いて作った家具屋さんが開いたワルンとのことで、バリ島にこんな清潔で垢抜けたワルンがあったのかと吃驚。出てきたバビグリン料理にもさらに吃驚。綺麗な盛り付けもさることながら、たっぷりしてジューシーな豚肉が美味かったです。値段はやや高めのドリンク込みで二人で3万ルピアでした! (^O^)/
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