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カマサン・スタイル
カマサンはバリ島の南東クルンクンにある村の名前で、その村に伝わる技法がカマサン・スタイル(ワヤン・スタイル)と呼ばれる。王宮の装飾画として発展したバリ絵画史上最も古い画法で、古代インドの叙事詩「ラーマヤナ」等の神話をテーマにしたものが多い。昔はキャンバスに米の粉を塗りつめ、絵の具にはすす、灰、粘土、植物を使っていた。人物は影絵のように斜めから描かれるのが特徴。--->> カマサン スタイル・ギャラリー |
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バトゥアン・スタイル
1930年代にバトウアンに興った墨絵のような細密画で、カマサン・スタイルと近代ヨーロッパの絵画技法が融合してできた技法。紙や布に中国の墨と毛筆を使って、画面に隙間ないほどびっしりとヒンドウ神話や農村社会の生活風俗が描かれる。西洋の遠近法を画家独自の解釈により斜め上から地上を見下ろすような目線で描かれるのが特徴。--->> バトゥアン スタイル・ギャラリー |
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ウブド・スタイル
1930年代にウブドを中心に生まれた新しいスタイル。オランダ人画家ルドルフ・ボネの献身的な指導により、遠近法や光の陰影、色彩の多様化などを取り入れ、描写テクニックが飛躍的に進歩した。紙や中国の墨と毛筆を使い村人の生活が生き生きと描かれているのが特徴。この後、バリ絵画は世界に広く知れ渡ることとなった。--->> ウブド スタイル・ギャラリー |
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プンゴセカン・スタイル(Flora and Fauna)
1970年代にプンゴセカンに住むデワ・ニョマン・バトゥアン兄弟を中心とするアーティストたちによって確立された技法で「フローラ・フォウナ」と呼ばれる。日本の花鳥画(注)を感させる風雅な画風で、竹筆で陰影を付けた下絵に丹念に色を重ねて仕上げる独特の技法で描かれる。当時は数枚の絵を屏風のように組み合わせて鑑賞した。注:唐、宋代の中国で確立し、室町時代に日本に伝わった自然の風物をテーマにした画法)--->> プンゴセカン スタイル・ギャラリー |
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ヤングアーティスト・スタイル
1950年代にプネスタナン村で興った、オランダ人画家アリー・シュミットを師とする若いアーティストたちの画法。画面全体に溢れる光と鮮やかな色彩が特徴でバリの印象派とも呼ばれる。鮮やかな色彩感で陰影をつけずにはっきりした線で輪郭が描かれるのが特徴で、バリの農村風景や伝統行事が好んで描かれる。--->> ヤング アーティスト スタイル・ギャラリー |
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レンパッド・スタイル
祭礼や儀式に使われる奉納絵画で、流れるような柔らかなモノクロの線画で描かれた伝統的な様式の絵画。伝説のドイツ人画家ワルター・シュピースに見出され、額に入れた絵画を描き始めた巨匠ニョマン・レンパッドの名前からそう呼ばれている。--->> レンパッド スタイル・ギャラリー |
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シュピース・スタイル
(熱帯幻想絵画)
ワルター・シュピースの絵画技法を取り入れ、西欧絵画の技法である上下遠近法と空気遠近法を融合させた幻想的な画風のスタイル。白黒の濃淡だけをつける過程と濃淡の上に彩色する過程とに分かれ、色を濁らせずに精緻な濃淡を表現する、驚くべき科学的な合理性によって編み出された技法でもある。--->> シュピース スタイル・ギャラリー |
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